2008-01-01から1年間の記事一覧

中国映画の思い出 謝晋さん

中国の謝晋監督が亡くなった。日本でも多くの作品が紹介された巨匠だった。10月28日、享年85歳。海外の映画祭や日本でインタビューをお願いしたが、お会いするととても話しやすい巨匠だった。 その後、中国映画のことをずっと考えていた。それも中国映…

東京フィルメックス映画祭

東京フィルメックス映画祭が終了しました。オープニングはブラジル映画「リーニャ・ヂ・パッシ」。これは「日本でも公開されたチェ・ゲバラの青春時代を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」のウォルター・サイレス監督と女性監督ダニエラ・トマスさん…

アレクサンドル・ソクーロフ

ソクーロフの素敵な映画を見た。「チェチェンへ アレクサンドラの旅」である。チェチェンに派遣され、ロシア軍の駐屯地で勤務する孫を訪ねる祖母のまなざしで見た、チェチェン訪問の顛末、戦場の実情といったらいいだろうか。祖母は兵士と同じテントに泊まり…

篠田正浩「自作を語る」

城西国際大学メディア学部では、客員教授の篠田正浩監督のアーカイヴを作ろうと篠田正浩監督の「自作を語る」という授業を行っています。昨年は「はなれ瞽女おりん」、「写楽」、「スパイ・ゾルゲ」を取り上げ、武満徹の映画音楽、映画と芸能、映画と政治の…

最近の授業から

「映像文化とジェンダー」という授業で、女性映画監督の作品を取り上げています。 これまで蜷川美花監督の「さくらん」、インドのミラ・ナイール監督「サラーム・ボンベイ」、トルコのハンダン・イペクチ監督「少女ヘジャル」、韓国のイ・ジョンヒャン監督「…

川喜多かしこ生誕百年

メディア学部のニュースに紹介しておいたように幕張で開かれた「アジア海洋映画祭」に顔を出してきました。また、10月18日からは東京国際映画祭が六本木ヒルズで始まります。 今年のプログラムはすでに発表されましたが、私が最も興味を持っているのは、…

後期の授業に向けて2

邦画について見てみましょう。 圧巻だったのは新藤兼人監督の「石内尋常高等学校 花は散れども」。今年95歳の監督の自伝的な作品。ユーモアに溢れ、行き着くところまで到達した人間観察の妙。 北野武監督の「アキレスと亀」は、これまでの北野作品で一番、…

後期の授業に向けて

頚椎椎間板症などという難病?にかかって、日記を書く余裕がなかったのですが、8月の暑さ到来と共に、嘘のように腕の痛みがなくなって、8月は試写通いをしてました。お気に入りの作品を書いておきます。まず、ベルリン・フィル創立125周年記念上映とい…

現場で映画を学ぶこと

毎年、文化庁支援「映像スタッフ育成事業」に参加しています。一ヶ月から二ヶ月のインターンシップになりますが、これまで参加者は一人も落伍者がないのが、自慢です。仕事が大変なことは毎年、上級生から下級生に伝わっているようで、それなりの覚悟で現場…

新学期 映画史の授業

新学期が始まりました。その前にフレッシュマンセミナーがあって、メディア学部は幕張で写真撮影しました。その時、後岡先生から「路地をのぞくと面白いよ」という話がありましたが、その時、映画に必ず路地を写していた成瀬巳喜男監督のことを思い出しまし…

フランス映画祭2008

フランス映画祭2008をのぞいてきました。久しぶりに日仏学院に出かけてカラフルなお手洗いなど、フランス色を味わって来たのですが、フランス映画で育ってきたような世代から見ると、最近のフランス映画は、もの足らないような気がします。 セドリック・…

第80回アカデミー賞授賞式

この時期は、国内のさまざまな映画賞、それにアカデミー賞もあってこの時期は見逃した映画を追いかけ、ものすごく忙しいのですが、今年はアカデミー賞は試写会にも行けず、体調を崩したこともあって(胃の調子が良くないんです。やはりお年のせいでしょうか…