第80回アカデミー賞授賞式

この時期は、国内のさまざまな映画賞、それにアカデミー賞もあってこの時期は見逃した映画を追いかけ、ものすごく忙しいのですが、今年はアカデミー賞は試写会にも行けず、体調を崩したこともあって(胃の調子が良くないんです。やはりお年のせいでしょうか?)、まったく、冴えない年になりました。

 まあ作品賞のコーエン兄弟ノーカントリー」とか、主演男優賞のダニエル・デイ・ルイスの「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」、「つぐない」、「フィクサー」は、まもなく公開されますから,見てから授業で取り上げましょうか。
 ノミネートされたものでは、今、女優としてもっとものっているケイト・ブランシェットの「エリザベス・ゴールデンエイジ」とか、「スィニートッド」、「アウェイ・フロム・ハー」などは、しっかり見ています。

 ジョニー・デップは歌がうまく、これは学生たちに人気のティム・バートンが監督していますから、「演劇論」のミュージカルで、登場させましょう。2年前にニューヨークで出演者が全員、楽器を持って自分で演奏しながら歌うスタイリッシュな「スィーニートッド」にも、びっくりしましたが、ティム・バートンも、じつにわかりやすい復讐劇を作り上げました。(もっとも、わかりやすすぎるところが物足らないというところもありますけど)

 でも感心したのはカナダの女性監督サラ・ポリーの「アウェイ・フロム・ハー」です。サラ・ポリーは「映像文化とジェンダー」の中で、スペインの女流監督イザベル・コヘッドの「死ぬまでにしたい10のこと」(同じ監督の「あなたなら言える秘密のこと」などにも主演)で女優として取り上げました。国際女優としてトップスターながら、「アウェイ〜」を監督するために2年を費やし、この作品を完成させたとか。しかもものすごく、演出がうまいのです。今年は以前にも、紹介したスサンネ・ビア、イサベル・コヘッド、あたりと並んでこのサラ・ポリーも授業で紹介します。

 2月は毎日映画コンクールの授賞式にも行って来ました。今年のアニメーション映画賞は原田恵一監督の「河童のクゥと夏休み」。監督がスピーチで「構想に20年かかった。それだけは自慢できます」というようなお話をされてました。アニメーションの授業では毎年、一人の作家に焦点を当てますが、今年は原田監督です。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」という快作も紹介しますね。