新学期 映画史の授業

 新学期が始まりました。その前にフレッシュマンセミナーがあって、メディア学部は幕張で写真撮影しました。その時、後岡先生から「路地をのぞくと面白いよ」という話がありましたが、その時、映画に必ず路地を写していた成瀬巳喜男監督のことを思い出しました。成瀬監督の作品には、はんこをおしたように、生活感のある路地が出てきます。幕張で路地らしきものを探したのですが、あそこはまだ、味のある路地は出来てない?ようですね。面白い路地が出来ると、ようやく街は面白くなるような気がします。
 
 浦安から来た泉沢君の案内で、ゲーセンまで行ったのですが、あまり面白いものは、発見できませんでした。結局、グラフックな絵、おしゃれな写真に面白いものがあった気がします。あまりいい写真は撮れなかったけれど、とても面白い試みでした。

 さて、私の授業。新入生が多い「映画史」は、120名くらいでしょうか。ルミエール兄弟がパリで始めて公開した1895年のシネマトグラフと同じプログラムから入ります。「最初に動く映像に接した人々の気持ちになってください」などと、言ってますが、今年の学生の反応はいいようです。
 
 また北京の伝媒大学の学生が「各国の映画史」を学びたいと、とても意欲的。これからエディソン博物館のスタジオなど、発明狂の夢を追い、アメリカ映画の父、グリフィス、ドイツ表現主義シュールレアリスム映画、日本の活弁による「雄呂血」と、それぞれの時代と国が作り上げた映画を紹介してゆくと、時間がとても足りない。しかもここには、創造のヒントの宝庫みたいなもの。歴史を学ぶと共に、現代映画という視点から見て欲しいですね。

 昔、林海象さんとニューヨーク映画祭に行ったことがあります。その時、彼が持っていった作品は「夢みるように眠りたい」。昭和初期の女優の夢のような世界を無声映画で撮っていた。とてもおしゃれな映画でした。こういう使い方もありだな、と感じた作品でした。