篠田正浩講演会

 東京紀尾井町キャンパスで開かれた城西国際大学メディア学部映像講座「篠田正浩講演会 日本の映画音楽を語る 早坂文雄から武満徹へ」(7月14日)が、ホール一杯の観客を集めて終了した。
 戦後の日本映画音楽を代表する巨匠の歩みを数々の映画史的事件に触れながら監督自身の「乾いた花」、「心中天網島」、「はなれ瞽女おりん」の映画音楽をわかりやすく解説して、観客を魅了した。
 今回の企画には村川ゼミ(プロジェクト3)の学生が参加。イヴェントの体験授業を実習した。メディア学部の私の授業は、映画史上の名作からアニメーションまで、ともかくも出来るだけ多くの作品に触れてもらうことを前提にしている。従って私のプロジェクトに参加する学生は、メディア学部の私のカリキュラムで、数多くの映画作品に触れ、それを調べ、文章を書くことが最低条件になっている。
 今回の企画に参加するために、黒澤明の「七人の侍」(早坂文雄音楽)、溝口健二の「近松物語」(早坂文雄音楽)、「心中天網島」(武満徹音楽)、「はなれ瞽女おりん」(武満徹音楽)を見て、レポートを書いてもらった。
 私の授業を受けている学生でも、映画史を勉強する必要がわかっていないと思われる学生がいる。プロジェクト3では、メディア学部映像講座を含め、他に文化庁映像スタッフ育成事業、キネマ旬報主催「映画プロデュサー&クリエイター養成講座」などの現場にインターンシップで参加する映画研修を実地している。現場を体験して、いかに映画知識が必要なことか、映画作品に触れることが、いかに重要かを理解するようになる。
 私に言わせれば、このことにいつ、気付くかで、本人の成長も変わってくるように思われる。現場の真っ向勝負に触れて、目の色が変わってくるようになれば、自ずから学習の方向が見えてくるようだ。
次回では、現場に出て、目の色が変わってきた学生たちを紹介してみたい。